鉛蓄電池の硫酸塩の変質

鉛蓄電池(蓄電池)は電気化学プロセスで生成される電気エネルギーを貯蔵するための充電式デバイスです。電池は鉛(Pb)と二酸化鉛(PbO2)でできた電極と、電解質としての希硫酸(37%H2SO4)で構成されています。

鉛蓄電池の放電中、再充電による逆プロセスで、微細に分散した硫酸鉛(PbSO4)が電極上に形成されます。しかし、硫酸化は、粗い結晶性の硫酸鉛堆積物の形成を特徴とする恒久的な変質プロセスであり、短絡時に完全に故障するまで電池の進行性阻害および電力損失を招く可能性があります。これらの結晶性堆積物の性質、運動学、空間分布は、電池メーカーだけでなく、硫酸化を防ぐ技術の開発者にとっても主要な研究対象です。X線元素マップは、硫酸化堆積物の性質と空間分布を調査するのに理想的なソリューションです。

QUANTAXWDSは、PbとSのX線のオーバーラップを適切に分離し、電池反応の間に生じる化学相の性質と空間分布を決定することができる強力な分析ツールです。

鉛蓄電池の電極で取得したSとPbのX線元素分布マップ
EDSと対照的にWDSの高いスペクトル分解能を示す硫酸鉛のX線スペクトルのセクション